被疑者や被告人と接見していて、「どうも話がおかしい、これはもしかしたら精神障害じゃないだろうか。」という疑問を持ったことはありませんか。また、公判前整理手続で責任能力を争う主張をしたら、検察官から、精神衛生診断書(簡易鑑定)や鑑定書が提出された経験はありませんか。このような場面に遭遇した場合、何を頼りに、どのような弁護活動をすればよいのでしょうか。
責任能力は、司法と精神医学の境界にある問題です。法律解釈や判例に精通していることはもちろんですが、精神医学についても一定の知識が求められます。そのため、統合失調症、うつ病などの典型的な類型ごとに、どのようなポイントに注意すればよいのか知っておく必要があります。また、裁判員裁判の精神鑑定のあり方については、司法研究が発表されており、事前カンファレンスや口頭報告、説明概念など、新しい提案がなされています。そのため、裁判所や検察官に対抗するためには、現在の議論状況を知っておく必要があります。
今回の若手ゼミでは、「初めて責任能力を争う裁判員裁判事件を受任した新人弁護士」を念頭に置いて、①責任能力や精神鑑定の基礎知識を学ぶと共に、②具体的な事件を素材にした実践的な弁護活動のあり方を学びたいと考えております。皆さんの積極的な参加をお待ちしております。
なお,ゼミ終了後は講師を囲んでの懇親会も予定しております。こちらも是非ご参加下さい。
(事務局担当:古山 弘子)